【完結漫画ノスタルジー】AKB49(少年マガジン)

このタイミングを今か今かと待ち構えていました。
「完結漫画ノスタルジー」というサブタイトルで、完結した漫画を色々語っていこうと思うのですが、その初回としてはつい今週完結した「AKB49」を語りたいと思います。
(ネタバレありますので、これから完結まで読みたい方は閲覧をおすすめしません)

 

 

この連載の初回、なんて馬鹿みたいな漫画が始まったんだろう。どうコメディで転がしてどう爆死するんだろうと思っていました。
なんといっても「好意を寄せるクラスメイトがAKBオーディションに合格するのをきっかけに、その子をセンターにするために、女装した主人公(浦川みのり)もAKBの一員としてアイドルとして駆け抜けていく」ストーリーです。
しかし進めば進むほど、アイドルとしての責任感やプライドが浦川みのりに芽生えるごとに、芸能界の汚い部分もあえて描きそれにもがく、「文化系スポ根」(この表現大好きです)としての熱量は半端ありませんでした。
なんというか、特に序盤に顕著、もっというと「実在のAKBメンバー側(ボス側)」サイドに多めだったのですが、名言のオンパレードなんですよね。

 

「先の夢なんて語る暇あったら、練習(こうどう)していたい」

「お客さんにとって私たちは、標高34.5cmの恋人」
「目を引き、心を掴む 宣伝(プロモーション)とはそういうものだと」
「私は40億の女 3000円のショーガールに 負けてたまるか」

 

akb1

序盤を読みなおして4個ほど挙げてみましたが、王道たる熱血的名言のほか、昨今の芸能界でも十分メタな金言がある作品でした。
これ以外にも正直、各巻一つや二つは名言があるストーリーで、マガジン完結作品としては異例なほどの「最終10話予告、完結巻頭カラー」を貰うという、VIPな扱いで幕を引きました。
昨今ラブライブやデレマスのような「アイドルって美しい」ということに視点を向けたアイドル作品が目立っている印象ですが、この作品は「AKBはアングラ産業ということを暗に認めつつも、敬意を持って描写する作品」でした。
コアとなる「みのりの正体が男であることをバラさないと完結には至れない」ことへの回答をどうやるのかというのをずっと待っていたその結果、『劇場という閉鎖空間での発表。それまでみのりに十分すぎるほど色々なものを与えてもらった、劇場に来た250人のファンは、そのような現実は呑み、汲むものとしてみのりという「偶像(アイドル)」を外では生かし続け、事実は墓の中まで持っていく』という展開。
ここまでに様々なエピソードで苛酷さを描き切った展開であるだけに、ストンとこの「おとし方」は入ってきて、「見事だわ……」となりました。

 

なんというか、この際はっきりといいますが、SMAP解散報道。アイドルってなんなのかってのをまざまざと見せつけられた一件でした。
いくら報道と会見を読み解いても、なぜSMAPが謝罪しているのか、そして何が悪いのかが一切わかりませんでした。
ただただこの一件で起きたことは、「今後SMAPの笑顔を、視聴者が今まで通りには受け止められなくなるだろう」という悲しい現実のみでした。
「AKB49」という作品は、そんなアイドルの責務たる「何があっても笑顔を貫き通す、希望を放ち続ける」という原点を貫き通した、名作だと思います。

SNSでもご購読できます。