ナナマルサンバツへのラブをあらためて語る

ナナマルサンバツという漫画があります。
競技クイズを舞台とした漫画で、月刊ヤングエース掲載。年末に掲載している記事「めたぽ的、この漫画がすごい!」においても、毎年プッシュしております。連載漫画内においては、諸手でオススメしたい漫画です。
でも、どちらかといえばあまり知名度が高い漫画とはいえません……アニメ化もしたんですが、事情によりあまり高いクオリティではなく、世間的にバズるまではいきませんでした……。

だからこそ、ファンがおすすめポイントを推していかなければなりません!
段階を踏んで、この漫画の面白さを微細に紹介をしていきたいと思います。

 

 

競技クイズ(早押しクイズ)の戦略を紹介してくれる

早押しクイズに勝つためには何が必要か? 知識? 反射神経? 確かにそれもそうです。
しかし、それだけではない。戦略、テクニックを駆使して戦う勝負であることをこの漫画で学びました。
問題が出題される際にボタンを押すタイミングは、問題が読み上げ終わるより前であり、そのコンマ一秒を争う勝負の妙、そしてそこに至るまでのあらゆるテクニックが濁流のように展開されていきます。
「確定ポイント(問題を読み上げる中で、正解が確定できるポイント)」「読ませ押し(ボタンを押してから問読みが読むのを止めるまでには反射神経上コンマ数秒の差があることを利用し、確定ポイントのほんの少し前でボタンを押す戦術)」「バラエティクイズ型企画の攻略法」等……こういうのを見ると、高校生クイズとかアタック25を見る目も変わりますよね?

全員が主人公、全員がプレイヤー

もちろんこの漫画には一人の主人公(越山識)がいるのですが、クイズという「対戦型スポーツ」である以上、その対戦相手も決してモブではありません。
いわゆるライバル的なキャラクター「御来屋千智」というのもいるんですが、もっというと、前のチャプターで完全にモブだったキャラクターが、大会編でメインキャラとして駆け上がっていたりすることが多々あるんですよね。
「例会編」というサークル大会編で問読みをしているモブキャラクターがSQ編(全国大会編)になったら完全に主人公・ライバルと正答数を張り合うメインキャラクターになっていたり、もっというと、主人公・ライバルに次ぐキャラクターが10人位いるのですが、いずれも引けも劣らない魅力を放っている。それらキャラクターが、それぞれ得意ジャンルを持っている。主人公が文系・ライバルが理系・ヒロインが語源とかはわかりやすいなーとか思う一方、モブからメインに昇格してきた女子がライフスタイルとか芸能で一歩抜けた能力を持っていたりするのがあるある!って感じできめ細やかなキャラ設定を感じるのです。
クイズは単純なスポーツとは違い、1VS1という概念にはあまりならず、三つ巴とかバトルロイヤルのような形になるものですから、「立っている」キャラクターが多数いるストーリーであることは、魅力の一派となることでしょう。

(引用で取り上げたこのコマ、左3コマ目で問読みをしているおさげさんは、右1コマ目『東野圭吾』を回答している九条このみと同じキャラクターです。まさか私も「例会編」を読んでる時に、このモブキャラクターがネームド化して展開に食い込んでくるとは思いませんでした。もっというと、記事執筆時最新号においてかなり強キャラの活躍をしていました……)

問題を、展開のナレーションとすることの美しさ

ここまでの見出しで一番意味がわからないことを言っているかもしれないのですが、例示するコマを見ればなんとなく伝わるかもしれません。伝わってほしい。
例えばこのコマ、ライバル(御来屋千智)とヒロインの兄(深見誠司)が渡り合ってる最終問題で「フランスの画家ゴーギャンが、ポール・タヒチ滞在中に、死を(作品中読み上げここまで)」「決意するなか描いた、人間の一生を誕生・成長・死で構成した作品は?」の答えなのですが、クイズという世界に一度叩きのめされ真っ直ぐに向き合えなくなっていたヒロインの兄が対決の中情熱を取り戻したという意味での生まれ変わりを表現するのにぴったりな答えであり、単に正答をしているだけながら、そこにはナレーション性・ポエム性があると思いませんか?
この表現方法はナナマルサンバツ内の随所に盛り込まれており、例えばミッション女子校の宗教ジャンルに対する造詣を表現しつつその可憐さを表現する意味合いで「全て答えなさい。キリスト教の教義における『三位一体』の(作品中読み上げここまで)」「指すものはなに?」の答えである、「父なる神・子なるキリスト・聖霊」を言わせたり、全国大会本戦第一問目において肩を並べるプレイヤーらのバチバチ感を示すために『ライバル』が答えである問題を出したり。
単にクイズをクイズだけとして捉えるのではなく、展開を補助する副材料として効果的にこなしていることが凄く面白みを増しているのです。

漫画を描いている杉基イクラはクイズ番組Qさま!にも出演したことがあるくらいには業界造詣がある人であり、上っ面なんかではない知識と地固めが、その迫力や魅力を何倍にも膨らませ、表現しているのです。
原作は現在、全国大会第二ラウンド編で問題のレベルも、戦術のレベルもうなぎのぼりとなっています。ぜひともコミックスから本編まで追ってほしい。ダイレクトマーケティングで皆様にぜひとも読んでほしい漫画です!

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コメント

  1. 匿名 より:

    原作ファンとして目を鱗として読ませていただきました!

    着眼点が素晴らしいです。
    何度もうなづきました。

    アニメ化は本当に残念でしたね。面白かったのに。

  2. めたぽ より:

    お褒めいただき光栄です! ありがとうございます!
    今見返すと、あともう一つ「クイズ問題は一つの『作品』」っていうあのエッセンスにも触れておきたかったなあと思い返しもするんですよね。「射手を矢で受けたほうがスマートにハマる」のアレはすごいと思いました……。
    アニメがアレだったですが、割とドラマにもイケるテーマだと思います。
    現在舞台をやってるのがそれの助走と考えたら、ぜひとも実写でもう一捻りしてほしいものですね。

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