「シュガー・ラッシュ:オンライン」というディズニーのカチコミ

 

この年末、もう一つエンタメを楽しんできました。それが「シュガー・ラッシュ:オンライン」という、この12月21日に上映が開始されたディズニーアニメの新作で、アーケードゲームを舞台にした「シュガー・ラッシュ」の続編です。
実は私、決してディズニーについて強くはなく……というより弱い部類。昨今の必須科目とすら言われたアナと雪の女王すら未修であり、白雪姫・シンデレラetcetc…もやんわりと知っているくらいで通しで一本を見ているわけではありません。強いて言えばキングダムハーツはプレイしており、それらでヒロインが原作通りの行動言動をしているのならなんとか知っているかな?というくらい。要するに、思い入れがある部類ではなかったんですよね?
そんなディズニーライト勢がなぜ映画館にすら行こうと思ったのか? それが、この予告編でした。(「続きを読む」より後はネタバレがあります)

 

派手な「プリンセス文法メタ」は真のテーマの陽動に過ぎなかった

ディズニーの「表向き」を知っていればなお、これ、攻めてますよね! いわゆるディズニープリンセス文法をヴァネロペというマセガキ客観的視点(ごめんなさい)からこき下ろす予告編。これ、この後も数分間プリンセスとの絡みがあったのですが、この後もなかなかパワーが強い掛け合いをしてました……。
話は戻り、こういうインパクトある一遍を見せられて、「この作品は、鉄の熱いうちに見ておかなければ後悔するんじゃないか」という念が先立ち、劇場に足を運ぶこととなりました。 (先んじて言っておくと、私はこういう「卵でなにか一品作って」と言われたときに「卵の殻でちぎり絵を作って提出してきました!」という結論を出してくる作品が大好きです。)
表向きは、そういう派手な「バズらせる設定」が様々散りばめられている作品だと思います。前述のプリンセス文法メタシーンだけでなく、冒頭から日本ゲーム界からソニックやザンギエフ・パックマンが出演する日本ゲーム界からの刺客の登場(これは前作からの出演なのでインパクトは薄いですが)、インターネット内層を表現するため名だたるIT企業のロゴがこれでもかこれでもかと登場し、そのサービスを映像表現することでシナリオが進むこと、また、YouTuberのバズらせ方についての強烈な皮肉。大人が見てニヤニヤしてしまう流れになっていると思います。
しかし、そういう大きな流れをこなしているなかで、「ヘビーな選択肢がある、でも明確な答えがない問いかけ」をいくつも出してくるんですよね。表面を見てディズニーらしさで喜んでいる子供の横で、親が「決して笑えない」物をぶつけられている気がします。

凛々しい女性の、だらけシーンにぐっとくるだけで話が収まらない


プリンセスがドレスを捨ててヴァネロペの正装であるパーカーやシャツを着てだべっているシーンもそうなんですよ。あれを見ている親客の中には「子供も見ているんだから、プリンセスらしくドレスを着ていてくれ! 下品だ!」って思っている人もいるかもしれませんが、ヴァネロペのドレスはパーカーである以上、プリンセス文法への一撃ではあっても崩れたシーンではない。あそこに嫌悪感を示している方は、このジェンダーレスが進んだ世界においては、どちらかというと「取り残された」と感じざるを得ません。だからこそ、ディズニーが一次創作として、旧態依然としたプリンセスのイメージを捨てにきたものなんでしょうね。 むしろ、このご時世にシンデレラとか白雪姫が原作ママ発表されたらそれはそれで大荒れになりそうですよね。

私も「旧態依然サイド」の一員でしかなかった

なんだかんだ、私は、ヴァネロペはシュガーラッシュの世界に戻って大団円になるのかと思ってました。しかしヴァネロペは最終的に【スローリーレース】の世界に残るという結末。こう思ってしまった時点で私も旧態依然の、古い人間だった。旅立つという結末を感じ取れなかった時点で、私もどちらかというとラルフ側の人間だったし、プリンセスがバディと離れないだろうという固定概念を持ってしまっていました。 しかし、最後まで見ればこの映画のプリンセスはヴァネロペではなく、ラルフであったことは明白(救出シーンのオチでようやく気づいた体たらくですが)。ヴァネロペとプリンセスとの絡みシーン、ミュージカルシーンがあったからこそ展開を予測させず、男性で、どちらかというとおじさんであるラルフが「過去の作品でいうプリンセス的役回り」をしていたことに、ディズニーの決意を感じ取りました。

世代的にわかってくれ、な、劇場を出た瞬間の一言感想でした。

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