日曜劇場

【140 OVER TWEET】「陸王」は面白い、でも僕は「ゲスい上司と銀行員」が見たいんだ

TBS日曜劇場2017年秋クール「陸王」、面白いですね。半沢直樹でお馴染みの池井戸潤原作、日曜劇場枠としては「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」「小さな巨人」に続く5作目ですね。
半沢スタッフが再集結という触れ込みで作られた今作はプロデューサー伊與田英徳の演出らしさが随所に見られ、半沢構成の手堅さと、新作としての斬新さが光り、原作を見ていない身としては次話が楽しみです。
一方、生意気な話、まだ「爽快感」がないですよね。メインバンク融資課長(大橋)に対し「マラソン足袋の商品化はこはぜ屋の悲願であり、それを提案・支持してくれた融資課行員坂本さんは同志であり、シューズの開発をやめるわけにはいかない」とやり込めたシーンはそれなりの爽快感があったものの、銀行のロジックにある程度の正当性があるからこそ、もにょっとしてしまう感じがします。
また、見ている方として論点が2つあることが気になりまって、没入しにくいことがあるんですよね。
「茂木と毛塚のマラソン界の宿命の対決」と「『陸王』を巡る、大手メーカー『アトランティス』及びメインバンクとのビジネス喧嘩」。ドラマでやるには2テーマのフリについていくのにちょっと大変な感じがまだあります。
これは、ルーズヴェルト・ゲームのときにも感じていたのですが、野球パートと合併闘争パートも、話に入れ込めるまではなかなかフリについていくのが大変な所があったのです。
個人的には、その他の池井戸ドラマのようにビジネスの苦悩一本のみを掘り下げに掘り下げていける作品をドラマ化してほしいのですが、こればっかは好みなところがありますよね……。
爽快感とかエンタメ性を考えたら、このあたりを構成に組み込める作品のよさがあるのも重々承知しています。

非常にゲスい感想ですが、池井戸作品には「現代の水戸黄門」という視点でどうしても見てしまいます。クソみたいな上司・幹部や銀行員をやり込めて、そのうえで商品開発や出世闘争において大成功を収めてほしい。
現実は全てうまく行かないことにみんなジレンマを抱えているわけなのだから、せめて夢くらい持ってもいいじゃないか。
「陸王」も最後には爽快感の溢れる作品になることでしょう。継続視聴をしていき、日曜日の夜を清々しく過ごせる秋となりそうです。

味方は敵のフリをする!? 『小さな巨人』に見る、理想的な管理職とは

タイトル、誤植じゃないですよ。
「日曜劇場」の今クール枠であるドラマ「小さな巨人」、面白いですね。
かつて「半沢直樹」というメガヒットオブメガヒットを生み出した脚本家である八津弘樹と、「陽気なギャングが地球を回す」の丑尾健太郎。
面白くなることが確約されている警察群像劇であり、実際、常に見入って、来週の最終回を楽しみにしています。
セミファイナルでは衝撃の事実を提示してのヒキ。これをどう収拾つけるのが見ものですが、そのドラマの中で、ずっと感じてた違和感が「やっぱり!」と花開いた一話でした。
続きからはネタバレを込みで、語ってみます。まだ話を追いかけている方は、閲覧のタイミングにご注意ください。ネタバレです。
(それぞれの人名固有名詞につき、一度目の記載は役職付き、二度目以降の記載を役職略記しています(山田・香坂は一度目から役職略記))

 

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「下町ロケット」が「半沢直樹」になれないワケ(ならなくていいワケ)

「下町ロケット」面白いですね。池井戸潤作品は「半沢直樹」ドラマのヒットから注目していて、日曜劇場シリーズについては「ルーズヴェルト・ゲーム」も含めて視聴しましたが、大人のおっさんの熱さを感じられるドラマとしてどれも高い完成度です。
主演俳優による長尺による名演説も多々あり、ほぼ毎話に一度は涙腺が緩むシーンが有ります。
高視聴率も獲得しており、一般的には成功の部類といえる作品ですが、その一方「半沢直樹」のように社会現象にまではならなかったり、流行語大賞にはなりませんでした。
もちろん、その「半沢直樹」が強すぎるということもあります。「倍返しだ!」というどまんなか流行語狙いの単語があったという理由がありました。
しかし、私にはもうちょっと根源的な理由があったと思っています……。

 

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